「ウチの受講生だったら‥‥」

 この土日は、岡山でのセミナーだった。
 帰京の朝、喫茶店でモーニングを注文した。二十歳ぐらいのウェイターが紙ナプキンの上に、フォークを置いた。紙ナプキンも曲がっているし、フォークも曲がっている。置くときに見ていないのだ。そして口先だけで「失礼します」と言って去る。次に、サーバーを持ってきて、カップにコーヒーを注いでくれた。トレイの上にこぼした。当人は見ていないから、こぼしても気がつかない。また「失礼します」と決まり文句を唱えて去る。
 本当に「失礼します」だ。さすがに、ちょっとムッとして「ウチの受講生だったら、ゼッタイにこんなことはしない!」と心の中で語気を強めて言ってしまった。もちろん実際には、絶対などとは言えない。が、日頃から、見ることに集中する訓練をしているのだから、あんな不作法なことはしないと思うのだ。
 ちょうど前日、セミナーの休憩時間に、受講生同士が「テストの採点がとても早くなったの。前は学校でやって、家に持ち帰ってやって、それでも終わらなくてまた学校でやって、だったけど、今は学校だけで終わるようになった。自分では普通にやっているつもりだったのに、同僚から、すごく集中しているって言われた」「そうそう私もすごく集中できるようになったわ」と話しているのを聞いてばかりだった。それもあって、まるで親バカのように、「ウチの受講生だったら‥‥」とつい思ってしまったのだ。
 別の受講生は、「家でも、ひとつひとつの行動に集中できるようになりました。」と所感に書いてきた。これは、日常も落ち着いて行動できてきたことを示している。こんな受講生の話や感想を聞けるのは、講師としてとても嬉しいことだ。速読脳開発プログラムは、まさに、こんなふうに私たち自身を変えていけるようにと作ったプログラムだからだ。
 前日の、受講生の会話や所感を思い出し、「君もウチで訓練すればきっと変わるよ」とウェイター君の背中に語りかけながら、新幹線の改札口に向かった。(豊文)

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