ちょっと早い、裏話

 来週の火曜日、3月2日に、いよいよTBS系「世界バリバリ☆バリュー」が放映される。本当に速読脳は開発できるのかを番組の目玉にしたいということで、「ためしてガッテン」のときと同じく、吉本興業の若手お笑いコンビを訓練してほしいということから始まった。およそ一ヶ月の取材期間中、通常の授業の他に、その二人の訓練やそのほかの取材が入ってくるので、時間的にも、体力的にもかなりきつかった。
 正味およそ10日間の訓練で、速読脳を開発することは可能だと言ってはいるものの、これは、受講する側も指導する側も、共に真剣勝負で取り組まないと、達成できることではない。いや、真剣勝負でやったとしても、その期間で解消できない問題を抱えていたりすると、達成できなくなってしまう。10日という限定された期間で、速読脳を開発するというのは、かなりの賭だ。
 今回の大きな問題は、睡魔との戦いだった。吉本興業の若手は、夜中の12時から朝方まで稽古するのが通常生活なのだそうで、折角、昼を空けて速読の訓練をするものの、その訓練は、眠気との戦いに終わってしまう。これには、いささか参った。
 最後の3日間は、とにかく十分睡眠を取って来るという約束をしてもらったが、それまでの伸びが、期待したほどでないため、いったいどうやって速読脳まで持っていけばいいのか、正直なところ途方に暮れた。最後の3日間の訓練に入る前夜、布団の中に入っても考え続けた。伸ばすためには、指導する側もよく眠っておかなければならないのだが、実際に眠った時間は3時間ぐらいであったろう。妙案は出た。
 「速読脳開発プログラム」は、読書能力を開発する。たかが読書能力の開発だが、読書力が低下しつつある我が国の現状では、いずれ国家の起死回生の鍵になると言っても過言ではないと思っている。だから、速読脳を正しく理解してもらうために、なんとしても速読脳を開発して示さなければなければならないという気持ちだった。教室のみんなも一致協力してくれた。心地よい疲れが残った。(豊文)

講師冥利

 いつも参加してくれる受講生のAさんが、先日の集中セミナーに欠席した。すでに速読脳も開発できているし、そんなに詰めてくる必要もないレベルに達しているのだが、いつもいる方がいないと、「何かあったのかな?」と心配になってしまう。ところが、それは全くの杞憂であることが後で分かった。
 実は、Aさんは大学の通信教育を始めたのだった。その通信教育のスクーリングがちょうどセミナーと重なったために、欠席したというわけだ。私は、大いに納得した。欠席は嬉しい知らせだったのだ。
 速読脳を開発した受講生が決まって取る、ある行動パターンがある。それは、若い時やりたかったのにできなかったことに挑戦し、それを、成し遂げるということだ。大学の通信教育を始めた人はAさんのほかにもいたし、小型船舶の免許をとった人もいた。大型自動二輪の免許を取った人もいた。留学した人もいた。会社を辞めて、独立して仕事を始めた人もいた。
 誰にでも、若い時に何かの事情でできなかったり、自分の能力に自信がないためにあきらめていたことがあると思う。それが、自分の行動を制限したり、場合によっては心の傷になったりしていることがあるものだ。一万字/分以上の速度で読書する集中力、情報収集力、記憶力、直観的判断力を身につけたとき、達成できなかった夢に挑戦する意欲が目覚めてくるのだ。まさに能力の向上に裏打ちされた意欲だ。
 速読脳を開発したことによる変化について、受講生にアンケートを取ったとき、ほとんどの方が、意欲の向上と答えていた。意欲は、生きていくエネルギーの元であり、人生を創造していく。受講生が速読脳を開発し、人生を新たに発展させていくのを見るとき、心から有り難く、講師冥利に尽きると思うのである。(豊文)

「一隅を照らす」の精神で

 A君は、17才の高校生。最近の若者によくあるパターンで、花粉症で、ぜん息があり、鬱に陥ったこともある。こんな症状を抱えていては、勉強でもスポーツでも力の発揮しようがない。案の定、学習が進まなくて困っているということで、当教室の門をたたいたのだ。
 家が遠くなので、春休み、夏休み、冬休みと、2,3日ずつまとめて受講にくる。もちろん、このような通い方では、速読の伸びもゆっくりで、ようやく最近、初歩の訓練で速読の見方ができてきた。しかし、本人の受講の感想は、「速読の影響が、日常生活や勉強に現れてきて、速読にのめり込みそうだ」という。
 よく聞いてみると、学校の先生に「最近集中力がついてきたね」と褒められるほど、勉強に集中できるようになってきたという。もちろん、本人は、国語の文章を読んだり、数学の問題を考えたりする時の集中が以前と全く違ってきたと感じている。成績が上がってきたことは言うまでもない。体調も良く、気持ちも前向きになってきたような気がするという。
 健康面も考慮しながら指導をしているので、指導を受け入れてくれさえすれば、このような結果はよくある。私たち講師としてはうれしい限りだが、最近は、「それにしても、日本の未来はいったいどうなってしまうのだろう」と、思ってしまう。20年前、教室を開校した頃は、こんなに心身の健康問題を抱えた若者はいなかった。今は、年配の方は健康なのに対して、若い人は、病気を抱えていない人の方が少ないと思えるほどだ。
 私たちが街の片隅でできることは高が知れているのだが、とにかく、「一隅を照らす」の精神で、有縁の皆さんの向上に努力しようと思う。(豊文)

緊急事態発生!

 昨年の末頃、テレビ取材を引き受けたと書いた。その取材もいよいよ佳境に入り、明日はスタジオでの収録が行われる。さて昨日のこと、スタジオで速読の実演をする予定の受講生が、仕事の関係で、急に参加できなくなってしまった。緊急事態発生だ。新たに実演する受講生を捜さなくてはならない。
 スタジオで実演するというのは容易なことではない。司会やゲスト、さらに招待されている観客がいるだけではない。撮影カメラがまさに文字通り目の前に迫ってくるのだ。普通の読書でさえ、気が散ってできるものではない。
 そのような環境の中で深く集中し、それを保ち続けるためには、速読の実力以上に舞台度胸が必要だ。もちろん、速読の実力も、映像として見せ物になるだけ、つまり数万字/分の読書速度で読む実力がなければならない。そうなると、実演する人を探すのは容易ではない。しかも、時間的に直前だ。
 一般の人は、番組を作るディレクターの方も含めて、速読というものを安易に考えがちである。文字を一字一句逃さずに高速で、順に読み取っていくということがどれだけ精神集中を必要とすることか、などということは、あまり考えない。自分では、ゆっくりの読書でさえままならなかったりするのに、速読は、いつでもどこでもパラパラと本をめくればどんな内容もただちに分かるかのように思っている人さえいる。少なくとも、速読脳開発プログラムで養われる速読能力はそのような超能力的なものではない。
 さて、昨日数人の受講生に電話してみた。いずれも、テレビに出演して恥ずかしくない速読脳の実力者だ。「出張で残念です」「今風邪を引いているので、次回に」と、いずれも教室に協力できなくて申し訳ないと言ってくれる。研究でも取材でも、受講生のみなさんは快く協力してくれる。本当にありがたいことだ。結局「喜んで。ちょうどその日は非番です」という人が見つかった。良かった!有り難いと思うと同時に、速読脳開発者の層が厚くなったことを実感した。(豊文)