時代を切り開く

 昨日、文部科学省の科学技術政策研究所で、講演をしてきた。現在、日立製作所、東京大学、東京女子医科大学と共同で進めている速読に関する研究についてで、東京大学の植田先生と分担し、私は速読教育について、植田先生は、これまで得られた研究成果について話をしてきた。
 巷ではアヤシゲに見られる速読を、科学的に研究しているということで、面白く聞いてもらえたようだ。速読に関して研究発表すると、速く読むよりも、ゆっくり読んでよく理解することの方が大事ではないかというような意見が出てくる。ゆっくり読んでよく考えれば、よく理解できるという発想なのだと思う。
 しかし、脳波のを用いた速読の研究でお世話になった、日本医科大学の故品川嘉也先生は、「分かった」というのはイメージできることであって、それには、右脳のイメージ中枢の活性化と関係しているとおっしゃっていた。右脳、特にイメージ中枢を使える状態にしているかどうかが、理解力の鍵なのだ。
 確かにゆっくり読んでよく考えることによって、イメージ中枢が活性化することがないとは言えないが、この「速読脳開発プログラム」こそ、その活性化を生ぜしめることが、研究の結果、すでに分かっているのだ。読書速度は、理解の速度によって決定づけられるわけで、この訓練では、右脳のイメージ中枢が活性化するからこそ、新しい読書回路ができ、理解の速度が速まる。このことは、思考速度は訓練によって変えられるというのと、ほとんど同様の意味を持つ。だからこそ、この訓練の意味は大きいのだと思う。
 科学技術政策研究所が、我が国の認知科学の動向を調査しようとしたことから、今回の講演につながったわけだが、新しい教育へ向けての胎動のように感じている。つまり、単に知識を覚えさせるための教育ではなく、「学習するための基礎能力」を向上させる教育が要求される時代に既に入っているのだと思う。受講生の皆さんと一緒に、時代を切り開いていけるなら、とても嬉しいことだと思っている。(豊文)

セロトニン神経を鍛える

 ときどき受講生の皆さんから、貴重な情報を頂戴する。「**という本/雑誌にこんな話が載っていましたよ」とか「**というテレビ番組で先生と同じようなこと言っていましたよ」とかという、能力開発や眼や脳に関する話題だ。速読脳を開くという超常識的な訓練や私がときどき話す超常識的な話題を、不思議だと思いながらも、心の隅に留めておいてくれているのだと思う。
 今朝は、Tさんが、「いきいき」という雑誌10月号の記事を持ってきてくれた。「薬に頼らず、脳を鍛えて『うつ』を治す。」という題だ。一日30分、リズミカルな運動を行うことで、セロトニン神経が活性化され、心が安定し、爽快感のあるクールな覚醒をもたらされる』という内容である。
 題そのものもそうだが、心の安定とか、爽快感のある覚醒とか、まさに、「速読脳開発プログラム」の効果そのものを語っている。Tさんも、この記事で説かれているセロトニン神経が活性化したときの反応は、自分の訓練の反応と同じだと感動して、持ってきてくれたのだ。
 この訓練では、本を読むときと同様に、眼を上下に一定のリズムで動かすことになる。なるほど、このこと自体がセロトニン神経を活性化させるのであろう。今まで、何人かの『うつ』の方が好転している。眼の動きにとどまらず、この訓練のなかには、セロトニン神経を活性化させる多くの要素が入っている。
 能力を開発することを目的にして作った訓練プログラムが、はからずも能力を十分発揮できない状態を回復させる内容を含んでいたわけだ。考えてみると、能力を発揮できるようにするという点では、同じことなので不思議ではない。このような面でも、問題の解決に役立つなら、嬉しいことだと思う。(豊文)

ヨーガ講座始まる

 昨日から、今年度のヨーガ講座が始まった。今年で5回目だ。速読脳とヨーガという組み合わせを不思議に思う方もいるだろうが、実はこれが大いに関係している。
 ヨーガは、ブラフマン(梵天=大宇宙)とアートマン(真我=小宇宙)をつなぐ修業法だ。その修業を成就するためには、自分の心身を最大限に開発して、コントロールできるようになる必要がある。いろいろなポーズを取るのは、そのためなのだ。その結果、初期の成果として健康の増進が得られるわけだが、決して単なる健康法ではない。
 では、ポーズを取りながら何をしているのだろうか?
 それは、自分の心身の動きや変化を観察しているのである。昨日の講座でも、片足で立ちながら、自分の体がどのようにバランスを取っているのかを観察する練習があった。観察するためには、当然のことながら、気持ちが落ちついていなければならないわけだが、気持ちを落ち着けること、自分を観察することが、速読脳の開発に通じているのだ。
 講師の成瀬雅春先生のヨーガは、特に、観察することを重要視しており、数あるヨーガのなかでも本物のヨーガだ。成瀬先生とご縁をいただいたことは、当連盟としても実に有り難いことだと思っている。
 健康、落ち着き、観察力は、速読脳の開発だけでなく、仕事でも、学業でも、芸道やスポーツでも不可欠な要素である。5回の講座で、ヨーガの初歩のエッセンスを教えてもらえる機会は、貴重だ。1回だけの参加でも得られるものは多い。多くの皆さんに参加していただければと思う。(豊文)

ご寛恕を請う

 今朝9時45分頃から、10時まで、ラジオに出演した。「今電話が**につながっております。おはようございます。・・・・」という、よく聞く電話取材だ。取り上げてくれたのは、FM倉敷の「ライフナビゲーション」という番組だ。読書の秋にちなみ、速読に時間を15分も割いて、ツボを押さえた質問をしてくれたので、こちらも気持ちよく答えることができた。
 岡山地方の番組だが、少しでも速読の正しい認識につながってくれると嬉しい。それにしても、当教室は、「ためしてガッテン」以来、あまり広告に熱心ではなかった。名前を忘れられては困るので、広告宣伝をしなくてはならないのだが、教材を売るわけではないので、入会希望者が一度に多く来られても即座の対応が難しいためだ。教室で教えることのできる人数に限りがあるのだ。
 入会時の受講料分を受講すると、その時点で、何人かの人は受講をやめる。効果に満足してそれ以上を望まない人もいれば、大変そうだと思ってやめる人もいる。が、最近始めた方は、かなりの割合で訓練を継続している。嬉しい限りだ。私たち講師は、継続してくれている受講生を伸ばし、速読眼、速読脳を開花させることが、生き甲斐なのだ。そのための努力は、今までも、そしてこれからも、決して惜しむことはないであろう。
 では、新しく始めたいという人はどうなのか。もちろん、この上なく大切である。できるだけ多くの人に、すぐにでも訓練を始めてほしいと思っている。それには、講師を養成し、教室を増やさなくてはならない。もちろん、指導の質を落とさないようにだ。これは私に責任のある仕事なのだが、やはり時間がいる。
 今入会を希望すると、11月下旬以降の入会となる。折角思い立ったのに、すぐに訓練を開始できないので、ジリジリしている人もいるかも知れない。悪しからず、ご寛恕を請う。(豊文)