受賞者、増える!

 昨日で冬期集中セミナーが終わりました。毎年のことながら、セミナーの後半では、今年の、最優秀賞、優秀賞、ニューブレイン賞の受賞者名が教室に張り出されます。最優秀賞は、十万字/分以上の達成者に、優秀賞は、5万字/分以上が安定している人に、ニューブレイン賞は、3万字/分に達した人に与えられます。
 昨年最優秀賞を受賞したUさんが、私の顔を見るなり、「先生、今年は多いですね!」と話しかけてきました。本当に多いのです。全部で18名。多かった昨年の11名と比べても、随分増えていますし、それ以前と比べると、倍以上と言えます。Uさんはそれに気付いて一緒に喜んでくれました。
 受賞者が多いことは、私にとって本当に嬉しいことです。というのは、受賞者の数の多寡は、講師の指導法の良否を反映するからです。つまり、講師が、受講生の改善すべき点を明確に指摘して、それを克服する方法を指導し、さらに能力を伸ばす訓練を的確に実施していかないと、受賞者は増えてこないのです。
 今年の受賞者が増えたのは、今年の指導法の研究と工夫の成果だと判断しました。教室の責任者として、とても嬉しく、安堵しました。もちろん、指導法の質以前に、多くの受講生の皆さんが、努力して訓練を続けてくれたことをあげねばなりません。
 当教室を信頼して訓練に励んでくださっっている受講生の皆さん、本当に有り難うございました。来年は、今この「教室物語」を読んでいるあなたが受賞する番です。皆さんの速読脳を開発するための研究と指導に、来年も最善を尽くすつもりです。お互いに頑張りましょう。
 「教室物語」も、本年の最終回となりました。毎週、一度も欠かすことなく続けられましたのも、皆様の温かい声援のお陰です。受講生の皆様、読者の皆様、有り難うございました。
どうぞ、良いお年を!(豊文)

「円周率4万桁」に学ぼう

 昨日、記憶術で有名な友寄英哲先生から、著書が送られてきた。
 友寄先生は、1988〜1995年の間、円周率を4万桁暗唱して、ギネスの記録保持者だった方だ。テレビにも何度も出演して、彼独特のランダムアクセス法で、指定された桁の数字を即座に回答して、視聴者を驚かせているので、ご覧になった方も多いと思う。
 私は、友寄先生を尊敬してやまないのだが、その理由は、先生の生き様にある。先生が4万桁の記録を作ったのは、54才の時だ。4万桁というのは、暗唱するのに、17時間21分かかる数字の量だ。その膨大な暗記を、暇だからやったのではない。ソニーに勤めて、仕事もしっかりやりながら、成し遂げたのだ。
 そのための、生活の工夫、心の持ち方、人間としての生き方の探求などなど、まさに人生の先達として、お手本を示してくれている。当教室でも、何度も講演や講習会をお願いして開催したが、その度に、感動したものだ。
 今度の本には、前著にもまして、彼が記録を打ち立てるために工夫したいろいろなノウハウやその過程で培った人生観が、たくさん述べられている。それらは、速読脳を開発していく道に、通じているものばかりだ。受講生の皆さんにも、ぜひ友寄先生の話を聞かせてあげたいのだが、残念ながら、ここしばらく、授業に追われて、先生をお呼びすることができなくている。その代わりというわけではないのだが、ぜひ、今度の著書を受講生の皆さんにお薦めしたい。
「あきらめるのは早すぎる 脳を鍛える記憶術」友寄英哲著 主婦の友社 ¥1,155

 現在、72才だが、「75才で5万桁暗唱」に挑戦しようと、今もトレーニング中だという。先生の記録達成に、陰ながら、声援を送りたいと思う。(豊文)

読書教育が明日を開く

 先の土日は、岡山セミナーだった。久しぶりに、新しく4人の方が受講を開始した。うち二人が、二十歳前後の若い方だったが、集中力があり、説明をよく理解してくれて、順調に訓練が進んだ。受講にくるのは若い方が多いのだが、そのなかには、精神面でも、健康面でも、日常生活は大丈夫かと心配になってしまうような方が結構いる。
 先週の教室物語で取り上げたOECDの調査でも、日本は、単に読解力が落ちただけでなく、「特に成績最下位層の割合の高さが顕著だった。」とあった。白紙で出す人が多かったのがその原因らしい。これは、意欲の低下、社会性の欠如、コミュニケーション能力の低下をも示しているのではないか。
 以前読んだ毎日新聞社の読書調査でもそうだったが、一部の少数の若い人は、非常に本をたくさん読んでおり、大部分を占める多数の人は、読書量がきわめて少ない。そして、今年の調査では、その読まない人の割合がさらに増えている。この傾向は、ここしばらく続いている傾向だ。
 つまり、読書能力や理解能力に二極分化が起きていると言っていいように思われる。このような傾向が、さらに続くとすれば、その先はどのような社会が出現するのであろうか。社会自体が、二極分化するのではないか。経済的に冨み、知的にも高い少数の人と、その逆の多数の人々とである。それは、明らかに社会的不安定を招くことになる。
 アメリカでは、難読症の人が増えており、その対策が、21世紀の大きな政治的課題となっていると聞く。読書力や理解能力が低い人が多くなると、経済力を保てなくなるというわけだ。国民の読書力の低下は、国力の低下につながるのだ。
 「速読脳」を開発したら、確実に高度の能力を持った少数派に属することになる。が、自分だけ向上しても、社会が不安定になったのでは、幸せに生きていけるとは言えなくなってしまう。しっかりした若い人に会えて嬉しく思うと共に、若い人全体への読書教育の重要性を思った。(豊文)

読解力低下に思う

 先日、日頃から心配していたことが、調査結果として報道された。もう、ご存じの方も多いと思うが、その要旨をまとめると、
「12月7日、経済協力開発機構(OECD)は、加盟国を中心とする41か国・地域の15歳男女計約27万6000人を対象に実施した2003年国際学習到達度調査(略称PISA)の結果を世界同時発表した。
 2000年に続く2度目の調査で、その結果、文章を読みとる力を測る読解力は、加盟国平均を500点と換算すると、日本は498点。前回の522点から24点も下がり、各国中で最大の下落幅となった。順位も、日本は前回8位の「読解力」が加盟国平均に相当る14位に落ち込んだ。1位のフィンランドとは45点もの大差がつき、特に成績最下位層の割合の高さが顕著だった。」
 この調査結果を受けて、「文部科学省は、『我が国の学力は世界トップレベルとは言えない』と初の認識を示し、来夏までに読解力を向上させる緊急プログラムを策定する。」とのことだが、それで解決するのだろうか。
 確かに、読解力を直接的に養うのは国語教育なので、この問題に関する責任は、学校であり、文部科学省だという論理になるのだろうが、おそらく、何も解決しないだろうと思う。
 教室が始めてから20年間、入会時に同じ文章を読んでもらい、その速度と理解度を調べてきたが、読書速度は、大幅に低下している感触を得ている。しかも、以前は、200字/分台の読書速度の人や、「読んでも頭に入りません」と訴える人はいなかった。単に受講生の層が広がったためだけとは思えない。
 速読脳を開発していく過程で、調べていくと、視機能に問題があったり、健康に問題があったり、精神的に問題があったり、通常の学校教育では、対処しようのない問題を抱えている。これらの問題は、能力を開発しようとするからこそ浮かび上がってきたわけだが、逆に言えば、本人も気付かないうちに、大幅に能力が低下してしまっているということだ。
 本人は、マスコミ報道やいろいろな商品広告を信じて常識的な生き方をしているわけで、何かおかしいと感じても、問題を問題と認識できていない。現在の社会で、常識的な生活をしていると、本来の自分の能力を大幅に低下させることになるといって過言ではないように思う。
 従来のように「学力低下は、学校や文部科学省が解決すべき問題」とするのではなく、「家庭教育の問題」とするのでもなく、現代社会の生活自体のなかに根本的原因があることを、ひとりひとりが深く認識する必要があるのだと思う。(豊文)

速読脳で、人生を変えた男

 一昨日、かつての受講生のA君から、本が届いた。14年前、彼は25才。教室の草創期に速読脳を開発した一人で、青雲の志を立て、人生に成功してまた連絡しますと言って大阪に向かって出発した。
 当時、当教室はかなり苦しいときだった。彼は、教室が発展するようにと写経してくれたり、別れる時は、お金まで寄付していってくれたり、彼の心温まる応援は、私の心の支えとなったものだ。そのA君が、本を著して、送ってくれたのだ。
 題して「正しい占いの使い方」。占いというとアヤシゲに受け取られがちだが、占いの本質を捉えて、人生にどのように生かすべきかについて、しっかりした考えを述べている。文章も、浮ついていない。鎮まりのある文章だ。自らの体験はもとより、多くの方から人生相談、運命相談を受けて、人世の悲喜こもごもを見てきたのだと思う。
 教室に来ていた当時、彼は自分の読書量は少ないと言っていた。特別な学歴をを持っているわけでもない。その彼が、たくさんの書物を読み、自ら考える力を養い、一冊の書物を著すに至ったのである。彼は、占いを通して、ひとつのモノをつかんだのだ。副題として、「運命を変える根本原則」とあるが、彼は、まさに自分の人生を変えたのだと思う。
 添えてあった手紙には、「本をろくろく読んでいなかった私が、こういう一冊の本にまとめられたのは、まさに速読脳になっていたからだと思っています。・・」とあった。まさに講師冥利に尽きると言える。受講生の発展、活躍を目の当たりにするのは、嬉しい限りだ。彼はまだ39才の若さだ。益々の活躍を祈ってやまない。
 ちなみに、彼のペンネームは「織田誠康」、本は、文芸社から出版されている。(豊文)