自ら考える力を養おう

 先の週末は、大阪で新しく入会する人たちのセミナーを行ってきました。金曜日の午後6時に始まって、日曜日の午後6時で終了です。今回は、私と同年代の方が二人いらっしゃいました。そのうちのお一人が、「速読できるようになるということは、自分の生き方と関わっているということがよく分かりました」と、最終日の感想を書いてくれました。大切なポイントを理解してくれたことを嬉しく思いました。
 実は先ほどまで、久しぶりに高校時代の仲間たちと会って旧交を温めていました。五十代半ばですから、一流企業に勤めた仲間もその第一の務めを終え、第二の職場に転職しています。第一の職場で生き甲斐を感じていた人も、第二の職場ではそれが怪しくなってきたりします。第一、第二の職場を通して、達観して元気な人もいます。死ぬまで溌剌として生きるためには、何が大切なのかと考えてしまいます。
 私はこのことについて、すでに結論を得ています。それは、二十代のうちに、自分の頭で考える習慣をつけるということです。本を読んで知識を得るのは、このためです。学校での教育も元来はこのためのはずです。しかし、得てして知識は知識だけで完結してしまいがちなのです。これでは、本当に書物から学ぶ意味がありません。
 二宮尊徳は「天地自然から学べ」と言います。一読しただけでは、読書不要論と受け取られがちですが、そうではありません。薪を背負って歩きながらも読書した尊徳ですから、読書の大切さは重々承知しているはずです。それは、読書から出発して、自分でものを考えることができるようになることを勧めていると言っていいのではないでしょうか?
 現代は、マスコミを通じて洗脳したものが勝ちの時代です。あらゆる情報が、これを買うようにとか、これを信じるようにとかという主張を持って迫ってきます。すべてを信じ込んでは、矛盾するだけでなく、自分がなくなってしまいます。
 私たちは、このような時代に存在し生活しているわけですが、だからこそ、ますます自分で考える力を養う読書が重要なのだと思います。読書するとき、ただ楽しみのためではなく、自ら考える力を養うためと考えてみてはいかがでしょうか?そこにこそ、大量の書物を読むことのできる「速読脳」の意義があるものと、かねがね思っています。(豊文)

人間って、奥が深い!

 先日授業を担当したときのこと。ある受講生を見た。顔つきが変わっている。不安げな表情が消え、穏やかな表情になっている。以前の不安定さがなくなっている。スゴイ!
 こんな変化は、訓練が進んでいったときによくある話なので、これだけでは特別なことではない。しかし、あるトレーニングをした結果、急激に、精神的安定が増した。その精神の安定は、その後も続いており、訓練でも、見る集中がレベルアップしている。
 ここまで読むと、そのトレーニングはいったい何だと思いますよね。ちょっと引っ張ってしまいましたが、それは、空間認識力です。fMRIの測定実験の結果、空間認識力が速読脳に関係しているらしいということが分かってきたので、授業でもいろいろ新しい訓練をトライしてみたのですが、それが、的中したというわけです。
 私たちは、五感を通して外界からいろいろな情報をインプットし、それを処理して、いろいろな行動としてアウトプットしています。五感を通して入ってくる情報は、すぐ分かりますが、五感を通さずに意識下で処理している情報も、かなりあります。
 五感を通した情報によって、精神の不安定が生じている場合には気付きやすいし、修正しやすいのですが、意識下の情報処理がうまくいっていないために問題が生じている場合は、なかなか気がつきません。空間認識力も、普段は、意識されていない感覚と言えるでしょう。いいことに気がついたと思うと同時に、人間って、奥が深いなァと改めて感心しているところです。(豊文)

新著に託した思い

 学生時代に、視力回復法の本を読んだことがあった。視力が低下してきたので、何とかしたいと思って、本屋で探して見つけた本だった。だから、繰り返し読んで、その本で説かれている訓練法をノートに書き出し、真面目に実行してみた。結果は、最初は少しよく見えるようになったが、その後すぐに元に戻ってしまい、結局視力回復をあきらめざるを得なかった。
 数年前、視力開発法について興味を持ち、いろいろ調べて、理論的にも実践的にも、納得できるものがつかめてきた。それは、方法論としては、学生時代に読んだものと同じ系統のものだった。なぜ、学生時代にトライしたときはうまくいかなかったのだろうかと思って、昔読んだ本を改めてひもといてみた。学生時代に書いたノートも挟んである。
 分かったことは、訓練のポイントがずれていたということである。しかし、そのポイントは、よほど、まさに眼光を紙背に徹して読み込まなければ分からない。今読んでも、その本から訓練方法を書き出したら、学生時代と同じになるのだ。今は、分かっているから、大切なポイントを読みとれるというだけだ。
 ノウハウ本は、やり方を説くだけだから、誰でも間違いなく理解でき、その方法を実行できると思いがちだ。しかし、現実は、そう簡単でないことを身をもって体験したわけだ。本質を読みとることの難しさだ。
 このような体験をすると、気楽に他人の本を批評できない。まず、自分は本当にきちんと理解できているのだろうかと自分の読書力を顧みることになるし、まず自分の読解力を磨かねばという思いに駆られる。では、どうやって読解力を磨くのか?
 実は、今回の著書は、こんな体験と思いがあり、読者の皆さんに何か参考になればと思ってまとめた本でもある。出版社としては、速読のテクニックとノウハウの本を意図していたが、表面的には、その意に反することになってしまった。(豊文)

やはり、継続は力なり!

 まず、拙著「絶妙な速読の技術」の発売について、お知らせの訂正します。10月1日発売とお知らせしましたが、10月1日は、大手書店だけのテスト販売で、正式発行日は、10月6日とのことです。本を探された方、注文して本を心待ちにしておられる方、7日からは、かなり多くの書店に出回ると思いますので、まことに申し訳ありませんが、もう少しだけお待ち下さいますよう、お願いします。
 もうひとつお詫びです。前々回(9/22)の本欄で予告しました、藤木美奈子さんの10万字/分達成時の書き下ろし体験談が、諸般の都合で載せることができませんでした。期待していた方、ゴメンなさい。できるだけ早く、次の本に掲載すべく、がんばりますので、何とぞ、ご容赦下さいますよう。
 お陰様で、テスト販売の売れ行きや注文が多いとのことで、正式発行日を待たずに、増刷が決まりました。心より感謝申し上げます。速読脳を開発するまでの強い興味を持っていなくても、読書に関心のある方なら、どなたにでも役立つ本と思いますので、ぜひ、お知り合いの方にお勧め下さればと思います。特に、教育関係の方にはぜひぜひ。
 先日の土日は、大阪でセミナーでした。岡山や大阪でのセミナーは、開催日が月に一回と限られているため、2、3ヶ月以上空けながら受講している方も結構たくさんおります。私たち講師としても、折角始めたからには、ぜひ速読脳開発まで持っていってほしいと思っていますので、あまり間が空くと、結構気になります。
 そんな年配の受講生の方が、久し振りに来て、やっと最初の訓練段階で速読の見方を掴むことができました。やはり、間を空けても、自宅の練習がたりなくても、続けることですね。帰り際、にっこりと笑顔でお礼を言ってくれました。本の執筆で、溜まっていた疲れが、その笑顔で吹っ飛びました。感謝感謝!またがんばるぞ!(豊文)