眼が若返る

 夜の授業に、久し振りにAさんが来た。部屋で仕事をしていると、担当講師から、Aさんの目が少し開散気味で、見ようとする所に焦点を絞りきれないでいるという報告が来た。Aさんの年令は、60過ぎ。老眼の影響が出てきたわけだ。
 もちろん、私も50代半ばなので、数年前から老眼を感じている。目に余計な負担がかからないように、メガネは、以前から使っている近視用の物のほかに、近距離用のものを用意し、デスクワークの時には、できるだけそれを使うようにしている。
 若い方には分かりづらいと思うが、同年代の人の話では、それでも老眼は進んでいく。が、老眼というのは、眼筋のの柔軟性が衰えてきている現象であることは分かっているので、私は、「速読脳開発プログラム」の中で推奨している眼球運動(「絶妙な速読の技術」参照)を実行して老眼に対処している。
 お陰で、進んでいる感じはない。眼筋の柔軟性が回復し、老化を抑えることができているようだ。先日もデスクワークをしていながら、メガネを換えるのを忘れていて、自分で驚くことがあった。まさに速読による目の若返りだ。
 先日の金土日は、新規入会者対象の大阪セミナーだった。やはり、50代半ばの方が、「速読とは精神と肉体の改造だと分かった。挑戦しがいのある課題ができました」と、感想を書いてくれたが、私も、本当に身、眼、脳の改造だと思っている。
 Aさんには、授業終了後、老眼に対処する眼球運動を説明してあげたので、次回は、きっと目が若返り、ますます良い訓練ができるものと思う。すでに視力が回復してきているということで、当教室に入会したことを喜んでくれていたのは、嬉しい限りだ。(豊文)

疑わしきを、罰す

 昨日、文部科学省の科学技術政策研究所での講演会に出席して勉強してきた。演題 は、「神経学的要因による読み書き困難に対する多方面からの支援」で、「発達性ディ スレキシア」について、いろいろな観点から解説がなされた。
 「発達性ディスレキシア」というのは、脳の器質的要因のために、読み書きの習得だけが、うまくできなくなることを指している。もっと簡単にいうと、お母さんのお腹にいたとき何らかの原因で、脳の読みに関係する部位の発達が阻害され、生後の一般的な家庭教育や学校教育では、うまく文字を読むことができるようにならなかった障害ということだ。読みと同時に、書くこともうまくできな場合が多いという。日本語では、発達性難読症と呼ばれている。読み書きには困難を伴うが、知能的には全く 問題がないのも、特徴だ。
 俳優のトム・クルーズが、自らディスレキシアだと告白したことで、ディスレキシアはよく知られるようになったが、英語圏では、約10%がディスレキシアだという。日本では、ひらがなで1%、カタカナで2〜3%、漢字でも5〜6%ということだが、増えつつあるらしい。アメリカでは、ディスレキシア対策が、21世紀の大きな課題だとされている。なぜかというと、読み書きが出来ない人が増えると、科学技術を初めとして、高度な生活レベルを維持できなくなるからだ。まさに、国家的問題なのだ。
 原因は何かと質問してみたら、結論は出ていないが、どうも、6ヶ月までの胎生期に生じた自己免疫疾患、つまりアレルギーと関係しているらしいと言う。胎児にもアレルギーがあるのだ。もちろん、母親の食べたものが大きく影響していることは間違いない。いつも、受講生の皆さんには、食べ物について注意を促しているが、食べ物の 影響は、思っている以上に大きいようだ。
 ディスレキシアの人が多くなれば、国としては、その対策を取らなければならない。それは必要なことだし、早く対策を立ててほしいわけだが、それと同時に、原因と考えられるものを除くことが大切だと私は思う。法律の世界では、「疑わしきは罰せず」で良いのだろうが、食べ物に関しては、「疑わしきは、罰す」つまり「問題を起こしていると疑われる食べ物は、摂らない」でなければならない。問題を起こしてからで は、遅いのだ。「食べ物が、個人の能力を支配し、ひいては、国家の繁栄を左右する」という感を強 くした講演会だった。(豊文)

2005年度入賞者決定

 今年も新年会が近づいてきました。新年会は、単なる受講生同士の親睦会ではなく、昨年一年の間に、訓練で優秀な成績を収めた人の表彰が行われます。先日、この毎年恒例となった入賞者の選考が行われました。
 講師が自分が主に担当した受講生の中で、最優秀賞(理解読書速度10万字/分以上)、優秀賞(同じく5万字/分以上)、ニューブレイン賞(3万字/分以上)に該当する候補者を挙げ、訓練カルテを見ながら、お互いに意見を交わしながら、検討します。
 その結果、今年は、最優秀賞4名、優秀賞6名、ニューブレイン賞8名が決定しました。合計18名。これは昨年の18名に同じ入賞者の数で、嬉しい限りです。この中には、大阪教室からの2名と岡山教室からの1名が含まれています。セミナーが月に一度というハンディにも拘わらず、地道に努力して入賞したのは、本当に敬服に値します。
 先日の土日は、大阪でのセミナーでした。講師二人で担当していますので、比較的初心者クラスと上級クラスに分けて、訓練を進めていきます。初心者クラスを指導しながら、フッと上級者クラスに目をやってみると、さすがに素晴らしい訓練をしています。
 以前初心者クラスの頃には、よく眠りに落ちたり、落ち着かず集中できなかったりしていた人たちが、表情も打って変わって、非常に落ち着いた訓練を行っています。緊張して話も上の空だった人が、迫力あふれる集中力を発揮しています。
 訓練はただ続ければいいというものではありませんが、続けなければどうにもなりません。訓練を続けながら、自分を変えようと努力した結果がそこに見て取れました。
 「自分を変える」というと漠然としていますが、「速読脳開発プログラム」では、自分の変化の程度が、訓練の良否と比例しています。つまり、訓練の良否や読書能力の発達の程度が、「自分を変える」という自己改革の目安になるのです。
 来年の入賞候補が、しっかり育ってきていると心密かに微笑んだ大阪セミナーでした。(豊文)

飛躍の時を待つ

 どこの教室でもそうなのだが、参加者の練習状況はいつもさまざまだ。ほぼ毎日計画的に練習している人、全然練習していない人、毎月あるいは毎週定期的に授業に参加している人、数ヶ月ぶりに参加した人、自宅での練習のポイントが合っている人、ずれている人・・・etc.。
 なかには、通常宿題と呼んでいる自宅練習の課題を、まったくしないまま受講に来る人もいる。しかし、それに対して叱られたり、嫌みを言われることは全くない。それは、「速読脳開発プログラム」のポリシーなのだ。
 というのは、「練習できる/できない」は、ひとりひとりの事情による。各自の、忙しさの程度、健康状態など諸般の事情は、ひとりひとり、その時々によって異なっている。だから、たとえ強い決意を持って訓練の臨んだとしても、練習できるとは限らない。そのことは、私も講師たちもよく納得している。
 同時に、それらの事情を乗り越えて、練習したい、しようという思いを、受講生の皆さんが皆共通に持っていることも、私たちはよく知っている。だからこそ、講師たちは、日常生活の中に練習を取り込めるように提案をしながら、各自が自宅練習を習慣付けて、訓練を効率よく進められるようになるのを期待しながら待っているわけだ。
 この土日の、本年最初の集中セミナーは、岡山だった。やはり、さまざまな練習状況の人がいたが、なかに「今日の伸びを待っていました!」と、感激させてくれる人が何人かいた。講師として本当に嬉しく、本人の根気と努力に、敬意と感謝を捧げるばかりである。(豊文)

年頭所信

 明けましておめでとうございます。
 いつも教室物語のご愛読、有り難うございます。
 新しい年が明けた。「門松は 冥土の旅の一里塚 目出度くもあり 目出度くもなし」という歌があるが、何となく気持ちが改まることは確かだ。
 振り返ると、今年で、速読教室を開校して22年目、シルバ・メソッド・セミナーを開催して26年目に突入する。ゼロから出発しながらも、信頼して受講に来てくれた皆さんを始め、実に多くの方々の助けを得て、ここまで来ることができた。心から御礼申し上げたい。
 そもそも、このような仕事を始めたのは、「人類の危機を乗り越えるためには、人間自身が、その感覚能力と知的能力を向上させることが不可欠だ」という思いからだった。若気の至りか、自らの能力も顧みず、生意気にも大仰なことを思い立ったものだと思う。
 しかし、あの思いから32年たった今日、地球温暖化を始めとして人類の危機はますます顕在化してきており、この初一念は、変えようがない。数年前、この思いを当社、株式会社オモイガネの経営理念として次のように表現した。
 「人間に潜在する能力を引き出す教育システムを提供し、有徳有為の人材を養成し、もって人類・社会の進化に貢献する。」
 おそらく危機回避の道は、唯一、私たちが進化することであると思う。「教育は国家百年の大計なり」と言うが、百年先を見越した危機回避の教育を考えるとき、それは潜在能力を引き出す教育以外にないのではないかと思う。潜在能力を開発するシステムを教育として確立し、心と身体の能力を向上させ、私たち自身をより深く知ることが、人類の進化と危機回避につながるものと考える。
 幸いにして、今は多くの仲間がいる。一緒に教育システムを提供する仲間と、受講して自らの能力開発を進めていってくれる仲間だ。まことに微力ではあることは無論承知ではあるが、今年は、もう一度、この初心に返り、経営理念をより具現化するべく、がんばりたいと思っている。
本年も、よろしくお願い申し上げます。(豊文)