共同研究は「Nature」掲載を目指す

 3月も末、今年度も終わりに近づいてきた。当連盟としては、年度の終わりは関係ないのだが、一緒に速読についての研究を進めている大学や研究所は、年度替わりに当たって共同研究の契約更改の時期となる。
 お陰様で、共同研究で得られたデータは大変興味深いもので、東京大学の植田先生からも情報通信研究機構の藤巻先生からも、研究継続のお申し出を頂き、来年度も継続することになった。
 私自身、教室で「速読脳開発プログラム」を教えることはとても楽しいのだが、先生方の研究室に出入りすることもまた、何となくワクワクするような心嬉しいものがある。もともと研究することは好きだし、長く大学で研究職に就いていたせいでもあると思う。
 よく工学部で機械工学を専攻していたのに、速読とはどういう関係があるのですかと聞かれることがある。確かに、表面的には関係ないのだが、速読法を知らない状態から、原理を解明し、訓練プログラムを作り上げてきた手法は、工学の研究手法そのもののように思っている。
 さて、共同研究は、速読の出来る被験者をたくさん養成できて、始めて可能になる。したがって、研究を継続するためにも、来年度もまた真剣に受講生の指導をしていくつもりだ。多くの受講生の皆さんに、またご協力をお願いすることになるが、何卒よろしくと、この場を借りてお願いしておきたい。
 植田研究室との共同研究の成果は、近々世界的な科学雑誌「Nature」に投稿することになった。その内容は、速読者は認知視野が広くなっていることを明らかにしたもので、トレーニングで認知視野が開発できるということを世界で初めて示すものだ。
 勝手ながら、「Nature」に掲載される可能性は大きいと思っている。その掲載を受講生、講師の皆さんと一緒に喜べるよう、明くる年度に期待したい。

百読会を振り返って

 21日の春分の日は、当教室の百読会だった。百読会というのは、正味ピッタリ6時間で、本をどんどん読み込むセミナーだ。訓練を目的として参加する人もいるし、自分なりの記録会という位置付けで参加する人もいる。
 第1回の百読会は、1990年1月。当時は、まさか百冊読む人は出てこないだろうと思って「百読会」と名付けたのだが、あっという間に破られてしまった。最初に百冊を超えたKさんが、腕が重くて動かないと言いながら、ゆっくりゆっくりめくっていたのを思い出す。
 今は、記録も何度も塗り替えられ、最高記録は、260冊。本を替えたり記録したりする時間も含めての記録だから、一冊の平均読み切り時間は1分ぐらいになる。最初の頃と比べて、「速読脳開発プログラム」がより緻密になったし、指導方法も工夫されてきたし、そして何より、真剣に訓練してくれた受講生のお陰で達成された記録だ。
 今回の参加者は、18名。速読眼が出来て間もない人から、15万字/分の実力を持つベテランまで、いろいろなレベルの方が参加してくれた。休憩時間は、その明るい雰囲気と、話が弾んでにぎやかなことと言ったら、ちょっとしたお祭りのようだ。それでいて、読み始めると、水を打ったように静かになる。その意識の切り替えは、おそらく、ほかでは、見ることが出来ないだろうと思う。
 今回は、新しい試みとして、まだ百読会の参加していない受講生の皆さんの見学会も合わせて、開催した。初めてみる受講生の皆さんは、頭では分かっているはずなのだが、実際に高速で読むのをみて、驚きのあまり目玉が落ちるのではないかと心配するほど、目を丸くしていた。
 また、今回は、五人の方に、読んで内容を要約して話すところをビデオで撮らせていただいた。その中の一人のHさんは、わざわざ新しい本を買ってきて、実演して見せてくれた。受講生の皆さんに百読会の様子を紹介したいと気軽にお願いしたのだが、そこまで気を遣ってくれた思いやりが嬉しく、有り難い。
 単に速く読むテクニックを習得するためのものとしてではなく、心をも育てる訓練システムとして、「速読脳開発プログラム」を発展させていきたいと、改めて思った次第。

一石二鳥のトレーニング

 パソコン業務が増えている。パソコン無しには、仕事ができないという方も多いと思う。私でさえ、机に向かうという言葉は、ほとんどパソコンのディスプレイに向かうという言葉と同じ意味になっている。
 受講生の皆さんの話を聞くと、中には、一日中、他の人とまったく言葉を交わすことなく、ディスプレイに向かい続けるという方もいて、これでは、目に悪いだけでなく、精神的にも大きなストレスとなる。
 先日、夜に初級講座を受講されたAさん。まさに、パソコンに向かうこと図書館に籠もるが如くで、他の人と話すチャンスもないという。目の疲れも大変なもので、頭まで痛くなってくる状態が続いていたのだそうだ。
 速読の訓練は、目にも良いということを聞いて、初級講座に入会したわけだが、仕事を終えて2時間受講すると、目の疲れが取れて、頭がスッキリするという。心身共に疲れた状態で教室に来るのは億劫だが、訓練するとスッキリするので、これからも続けたいと喜んでいた
 そういえば、仕事の後1時間受講すると、気分転換になり仕事から頭を切り換えられて良いというOLの方もいた。速読力を向上させるだけでなく、仕事の疲れを取ることができるのは一石二鳥。「速読脳開発プログラム」ならではの効果ではないかと思う。
 3月は、年度末なので、税務申告あり、決算ありと、多忙な方も多いと思う。こんな時こそ、当教室のトレーニングを活用してはどうかと思う。

緊張する人へのスゴ〜イ朗報

 この前の土日は、大阪セミナーだった。大阪セミナーは、毎月第一土曜、日曜日に開催されている。月に一度だけの開催なので、参加者は、自宅練習をすることに肚を決めている。
 もちろん、そうは言っても、緊張する性格であったり、焦るクセがあったりすると、訓練の進みが遅くなったりする。ましてや、何らかの事情で、自宅練習が思うようにできなかったりすると、その焦りは、つのるばかりということにもなる。
 ところが、今回のセミナーで驚くべきことが起こった。緊張したり、焦ったりする人へのスゴ〜イ朗報である。とは言っても、実は、それは分かっていたことで、だからこそ、拙著「絶妙な速読の技術」に紹介しておいたのである。
 それは、何かというと、「立腰」だ。
 今回のセミナーに参加したなかに、二人、立腰をトレーニングしてきた人がいた。とにかく、仕事中もできるだけ、腰を立てる。それを、前回の受講から続けてきたというわけだ。速読の訓練はほとんどやらなかったということなのだが、訓練は、二人とも、大いに進んだ。
 実は、このお二人、焦りや緊張で、ここしばらく伸び悩んでいた。それが、今回の訓練では、その焦りや緊張が鎮まり、訓練に深く集中できた。二人とも、不思議の面持ちながらも、大いに喜んだのは言うまでもない。
 立腰は、拙著のなかでも述べたとおり、現代の覚者、森信三先生が二度とないこの人生を大切に生きるための要諦として説いた実践方法である。「速読脳開発プログラム」の訓練に入っている人も、そうでない人も、大いに実践されることをお薦めしたいと思う。

テイクオフセミナーを終えて

 昨夜、初めての試みだったテイクオフセミナーを終了した。連続5日間、3時間の通学本科を同じメンバーで受講するというセミナーだ。その成果は、久し振りにちょっと興奮するほど、嬉しいものだった。
 それは、受講した皆さんが、ほぼ期待したとおり伸びてくれたということが、第一の理由なのだが、得られたものはそれ以上であった。実は、期待通り伸びてくれたことが、私に気付きをもたらしてくれたのである
 当教室の受講生は、お子さんもいるが、ビジネスマンが中心である。そこで、そのビジネスマンの皆さんが通いやすいようにと、自分の都合に合わせて、教室で開催されている授業を自由に予約して受講するというシステムを取っている。もちろん、授業は、毎週決まった時間に開講されているので、このシステムならば、定期的に通うこともできる。
 このシステムの長所は、長い期間でも自分のペースで受講を継続しやすいということである。受講料も、受講する分だけ支払えばよい実質本位しているので、受講生の皆さんに無駄がない。これはよいシステムだと今も思っているのだが、実は、ひとつだけ、このシステムでは満たせないものがあった。
 それは、同じ講師が、同じメンバーを継続して担当するということだ。受講生ひとりひとりについて、訓練カルテがあるので、同じ講師、同じメンバーである必要は全くないのだが、今のシステムでは、一週間に一度通ってくる方が多く、仕事や用事が入ると、2週間、3週間空くことも出てくる。
 定期的に自宅練習をしている人は大丈夫だが、していない人は、せっかく教室でよい見方をつかめても、余りに間があくと、そのよい見方を忘れてしまうことになる。これは、実にもったいないことである。
 今回の、5日連続のテイクオフセミナーでは、この問題を完全に払拭し、毎回、前回の練習の上に次の練習を重ね、確実に見方を掴んでもらうことができたのである。気が付いてみれば、当たり前のことなのだが、この効果は予期していたよりも大きかった。
 今までの受講システムはそのまま生かしながら、受講生の皆さんが習得に苦労するところは、今回のような連続セミナーで習得していく。そうすれば、かなり効率よく能力を伸ばしていくことができる。このことを立証できたのが、とても嬉しいことだったわけである。
 このテイクオフセミナーを、今後も大いに実施していきたいと思っている。請、御期待!