続けるからこそ変わり得る

 まさに歳末ですが、当教室は、冬期連続セミナーの最中です。セミナーは30日までですが、私の担当は、本日が最後(の予定)。今年の締めくくりとして、受講生の皆さんをしっかり見させてもらいました。
 いつものことながら、速く見ようとあわててしっかり見ていけない人や伸ばそうと意識しすぎて逆に見ることに集中できなくなっている人など、いろいろおりましたが、今年最後の集中セミナーにふさわしく、とうとうテイクオフの見方を掴んだり、これまで蓄えてきた力を発揮して、大きく伸び、喜びのうちに終了した人もおりました。
 この一年も、今日のセミナーのようにいろいろな方を指導させて頂いたわけですが、いつも思うことは、続けている方ができてくると言うことです。逆に言えば、続けていくからこそ、私たちは、自分を変えていくことができるのだとつくづく思います。
 昨日、東大の植田先生との共同研究で、速読眼を開発できたばかりの受講生を被験者にして、脳の活動や視覚能力について実験を行いました。ここ1年余りの間、訓練に参加している受講生ですが、結果は、ちょうど、訓練していない人と、速読脳を開発して10万字/分レベルで読む人とのちょうど中間に出てきました。まさに当教室で予期している読書能力の発達過程をたどっていたわけです。
 入会する以前は、ほとんど本を読まなかったのが、今は本を読むのが楽しくてしょうがないとのことで、しかも、理解力が格段に上がっていると感じると話していました。健康状態も大きく改善しているとのことで、私から見ても、別人のように見えます。嬉しい限りです。
 来年もまた、このような受講生をたくさん輩出できるよう、教室内外の体制を整えながら、指導と普及に全力投球していきたいと思っております。いつも受講に来てくださったり、応援してくださる受講生の皆様、この一年間本当に有り難うございました。この場を借りて、御礼申し上げます。
 同時にまた、まだお会いしていない読者の皆さん、明年お会いできることを楽しみにしております。今回が、今年最後の教室物語です。一年間お読みくださいまして、有り難うございました。どうぞ、どちら様も良い年をお迎えくださいますよう。(豊文)

母校で講演してきました!

 昨日は、前々回に予告しましたように、東京工業大学で講演をしてきました。演題は、「集中力、速読能力を鍛える脳つくり」。自由参加の講演会であったにも拘わらず、大学院の修士課程の学生を中心に、先生方も含めて40名ほど聴講に来てくれました。加えて、当教室の受講生や知り合いが来てくれて、総勢50名ほどの講演会でした。
 私にしてみれば、いつもの通り、「脳力は変わり得るものなんですよ」ということを、科学的な研究データを交えながら、説明したわけですが、とても興味を持って熱心に聞いてくれました。そして、講演に続く質疑応答では、学生諸君から、たくさんの質問が出ました。ある先生からは、「これこそ学生にも、教官にも必要な教育だと思う」というコメントを頂きました。
 思えば23年前、科学技術が本当に人間の幸せに役立つものとなるには、テクノロジーをどんどん推し進めるばかりでなく、人間自身の能力を開発し、向上させることが不可欠ではないかという思いから、大学を辞した私ですが、再び母校の学生の前で話をする機会が来るとは思ってもみないことでした。
 科学技術を発展させる側の人たちは、使う側の人のことを考えていかなければなりませんし、使う側は、中身を理解して使って初めて、生きていく上で役立つものになるはずです。ですから、科学技術を廃棄できない以上、それを生み出す側、使う側の双方が、共に賢くなっていかなければならないわけです。この思いは今も、変わりません。
 折しも、大学が独立法人化し、大学自体が大きな変革を求められています。学生もまた、以前にも増して、単なる学力ではなく、意欲や創造力の向上が望まれています。そんな時期に、講演をする機会を得たわけですが、これが、何らかの形で、大学教育の発展に寄与することを願いつつ、母校を後にしてきました。(豊文)

この人にこそ、私の本を!

 お陰様で、拙著「絶妙な集中力をつける技術」の売れ行きが好調とのことで、発売1週間で、増刷になりました。有り難うございます。
 先週の金曜日、岡山セミナーに向かう新幹線の中、この人にこそ、私の本を読ませてあげたい、と思う人に出会いました。それは、私の隣に座った30代半ばの男性でした。
 新横浜から乗ってきたのですが、両足の間に黒い鞄を捨てるかのようにグシャッと置き、足の分だけ私の方に進出してきました。久し振りに静かに瞑想でもして行こう思っていた私は、その意識の荒さに押されてちょっと身を引いてしまいました。
 それから、週刊誌をパラパラめくり、いや速読しているようにはとても見えません。目次読みと本文眺め読みという感じでしょうか、もちろんめくり方はNBS流と大分違います。次は、スポーツ新聞で、週刊誌と同様の読み方。また、パッと新聞を鞄にしまったかと思うと、さっきの週刊誌。
 またちょっとすると、次は分厚い専門書。どうもSEがお仕事のようです。今度は集中して読むのかなと思ったら、これもパラパラ読み。また鞄にしまったら、別の分厚い専門書をパラパラ読み。この間ずっと、貧乏揺すりが続きます。
 さらに、携帯でメールを読み、それから携帯でゲームをやり、また専門書を出し‥‥。すごいのは、大阪で降りるまで眠らなかったこと。心も脳も、興奮していたんですね。こういう人にこそ、今度の本を読んでもらえば役に立つのにと思いましたが、きっとあの感じだと、パラパラ読みで、内容を汲み取ってもらえそうにありません。
 しかし、「日本の集中力を向上させよう」ともくろむ私としては、あのような人にも本を読んでもらいたいところ。どうすればいいか。女子高生が読むようなケータイ小説形式にして配信する?読み聞かせ用CDにする?などと考えは浮かびましたが、手っ取り早いのは、やはり読んでくださった方が、集中力が必要そうな方に、その方法や知識を話してあげることですよね。
 私の考えにご賛同頂けましたなら、ひとつ、よろしくお願い致します。(豊文)

出来る自分の自己イメージを作れ!

 この前の金土日は、大阪での新規入会者セミナーを担当しました。新入会者は8名、とても速読脳を開発する素質のある人たちが揃いました。いろいろなチェックをしてみましたが、前頭葉がよく動いているという手応えなのです。
 2日目の土曜日の後半、一通り訓練の説明をしてから、いよいよ速読の見方(テイクオフ)について説明し、トレーニングに入りました。トレーニングは、初めてとしては、特に問題なく進み、私は、これはいけそうだという感触を得ました。ところが、感想を聞くと、二人の人から、それぞれ「とてもそんな見方は出来そうもない」「速読できる自分を想像できない」という答が返ってきました。
 訓練前に、漠然と「1分間に1万字/分を読む」と頭で理解しているときは、そのすごさの実感は湧きません。しかし、いざ実際にそのトレーニングを始めると、「えっ!」と驚くことになります。それは、よくあることです。しかし、いい素質を持っているのに、もしやめてしまうようなことがあると、それはもったいないことです。
 私はいつも思うのですが、素質がある、つまり目指す能力の芽を十分に持っているというのは、大したことではありません。その能力を獲得するための必要条件であっても、十分条件ではないからです。大切なことは、自分も、やればその能力を獲得できるという確信です。この確信さえあれば、たとえ素質が不足でも、必ず能力を獲得できると言うことができます。
 もちろん、訓練を開始する時からそんな確信を持っている方は、ほとんどいないはずです。訓練を進めていくうちに、その確信が固まってくるわけです。今回も、受講生の皆さんが、自らやれば出来そうだと確信し、速読が出来るようになる自己イメージを作り上げることが出来るよう、講義を進めました。
 最後には、その二人も、「何となく見方がつかめてきました」という感想が出るところまで、訓練が進みました。ホッと胸を撫で下ろしながら、自己イメージの大切さを改めて思い起こしたセミナーでした。(豊文)