「教える」って奥が深い!

 古い話ですが、学生時代、急速に近視が進んだとき、何とかしたくて視力回復法の本を買って読んだことがあります。その内容に自分なりに納得して、どのトレーニングを何分やればいいのか、ノートに書き出しました。しばらくそのトレーニングを実行したのですが、効果が感じられなくなり、止めたという経験があります。
 その後、その本のことはしばらく忘れていたのですが、速読や視力回復法について分かるようになってから、その本を読み返し、そのノートを見る機会がありました。ノートには、確かに間違ったことは書いていないのですが、トレーニングをするときの大事なポイントについても何も触れていないのです。
 あのとき、自分ではよく理解してノートをまとめたつもりでいたのですが、実は、大切なポイントは何も理解していなかったわけです。トレーニングですから、やれば少しは効果がありますが、ポイントを理解できていないのですから、本当の効果は得られるはずがありません。
 その本は訳本でしたが、日本語として難しかったわけではありません。私の理解力が足りなかったわけです。私は、「理解する」ということについて、納得するものがありました。当時の私の理解力は、左脳的だったのです。どのトレーニングを何分やればいいのかということにだけ目を奪われて、そのトレーニングをどのようにやるのか、どんなことが大切なのかということには、意識が向いていなかったのです。
 今「速読脳開発プログラム」を教えていて、当時の私と同じ理解の仕方をしている方を、時々見かけます。そんな理解にならないように、口頭でアドバイスをしているのですが、言いたいことを理解してもらうのは、なかなか難しいことです。
 先日も、アドバイスを一通り聞いてから「どの訓練を何分ずつやってくればいいですか?」と聞いてきた方がいました。「そうじゃなくって、こういう見方が出来るようになりたいんだから、こういうように練習してきてください」と答えると、また「どの訓練をすればいいんですか?」と聞いてきました。仕方がないので、「このフォーマットでやってください」と答えたら、納得したようでした。
 けど、私としては、本当に理解してもらえたかどうか、不安が残りました。
「スーパー特急に乗ろうとしている皆さ〜ん、どの訓練をするかも大事だけど、どのようにやるかは、もっと大事ですよ〜!」
イヤ〜ァ、教えるって、ホントに奥が深いなァ。
(豊文)

鎮まり談義

 昨日木曜日の夜の授業も、先週に引き続き、10名以上の方に参加して頂き、感謝しております。
 先週は、ここしばらくの間、毎週通ってきていたお二人が、同時にBクラス修了となり、みんなで拍手して、お祝いすることができました。ここひと月ほど、今回か今回かと思っていましたので、講師としても、とても嬉しいことでした。
 そのうちの一人は、特にこの一週間で訓練の質も、速度も、大きく伸びたのですが、所感に「教室の測定のつもりで、自宅練習をしてきました」と書いてありました。私も、なるほどと納得し、また感心しました。自宅練習だと見てくれる人がいませんから、真剣度が低下しがちです。それを克服した訓練ができたのは、見事であるし、改めて自宅練習の質の大切さを思いました。
 教室だと緊張するという方は、自宅練習の方が緊張しないで済むという、良い点もあるのですが、一般に言えば、鎮まりが今ひとつのまま訓練することになることが多いのではないかと思います。先日も、訓練は結構進んでいるにもかかわらず、教室での鎮まりが不足している方がおりました。
 聞いてみると、自宅での練習でも同じようです。そこで、自宅でやっている5分の丹田呼吸を15分にしてもらいました。その結果、教室での鎮まりがグンとよくなり、自宅練習でも、鎮まりを自覚できるようになったとのことでした。人によって、鎮まりを深くするためのポイントは異なりますが、このことはヒントにして頂けると思います。
 さらに敷衍して考えてみると、訓練するときに長い時間丹田呼吸をしなければならないとすれば、日常の鎮まりが、不足しているということが考えられます。例えば、同じ話を聞いても、理解の深さは人によって異なります。理解の程度が違っていれば、記憶に止まる内容も異なります。
 この訓練では、気持ちが静まってアドバイスが理解できてきたとき、見方もできてくるということがしばしばあります。そんなとき、「そのアドバイスをもっと前に聞きたかった」と言う方が時々おりますが、実は何度も聞いているアドバイスなのです。「心そこにあらざれば、見れども見えず、聞けども聞こえず」という言葉がありますが、まったくその通りで、心をそこにあらしめるのが、当教室で言う鎮まりということになります。
 日常よく落ち着いて行動できていれば、訓練時との意識状態のギャップは少なくて済みます。すると、すっと訓練に入ることができます。ぜひ、日常から「鎮まる」ことを考えてみてはいかがでしょうか。そのためのヒントは、拙著「絶妙な集中力をつける技術」にかなりまとめてあります。参考にしてみてくださいますよう。(豊文)

第一回坐禅断食会、成功裏に終了!

 このところ、木曜夜にアップするはずの教室物語が、かなりずれ込んでいます。楽しみにしてくださっておられる方、ゴメンナサイ。先週の木曜日は、夜の授業に、坐禅断食の準備と、家路についたのが午前2時過ぎというわけで、先延ばしさせてもらいました。
 さて、その坐禅断食会、昨日、無事終了しました。私たちスタッフも含めて、総勢38名。一人のキャンセルもなく、予約していた人全員参加してくださいました。遠くは、福岡から。大阪教室からも3名参加してくれました。そして、38名全員、おいしく明けの食事をして、出すべきものをしっかり出して終了することができました。
 今回は、スタッフを除けば、ほとんどが初めての方でした。私自身も最初はそうでしたが、2日半ぐらい食事しないのは大したことはないはずだと頭では思っていても、やはりちょっとした緊張はあるものです。今回初めて参加された方も、やはり若干不安げな表情で集合しましたが、終了時の感想は、「思っていたよりも楽にできました」と話した方が多くいらっしゃいました。
 けどもちろん、普段の食生活に問題があったり、健康上の問題を抱えている方は、そんなに楽ではありません。ですから、断食中に身体がどのくらい大変だったかで、自分の健康度が分かるのです。坐禅以外の休憩時間は、横になったり、ゆっくり散歩したりして過ごすのが普通ですが、だるくてほとんど寝ていましたとか、頭痛がしました、胃が重くなりましたとか、色々な反応が出た方がいらっしゃいました。
 そんな中で、何人か、普段とほとんど変わりませんという方もいらっしゃいました。その顔ぶれをよく見ると、実は、昨年の「能力限界挑戦コース」に参加したメンバーでした。あのとき、山守講師の指導で、食生活の改善を1ヶ月以上にわたって実行し、以来、食生活の改善されている人です。日頃から、G薬で体質改善を図っている方も、やはり元気でした。
 中でも一番というほど元気だった、大阪教室のAさんが、さっそく感想を寄せてくれました。「基本訓練をやってみたら、雑念に捕われることがなくなり、今までより深く集中できた」「いつも詰まりがちだった、右鼻が通るようになり、呼吸が楽になった」などと、書いてありました。きっと、Aさんは、今回の坐禅断食で、スーパー特急から、ウルトラ・スーパー特急に乗り換えることができたのではないかと思います。
 ちょっと疲れたなと思いながらの坐禅断食会でしたが、前回同様、開催して良かったという思いで終了できました。参加してくださった皆様、応援してくださった皆様、有り難うございました。(豊文)

身体が資本

 ゴールデンウィークの集中セミナーが終わって一息つくかつかぬかのうちに、岡山セミナーになり、今日は、これから名古屋でのスーパー特急講演会です。私の記憶のなかのGWはもう大分前という感じになってしまいましたが、GW中はたくさんの皆さんがご受講くださいまして、本当に有り難うございました。大阪からわざわざ東京に来てくださり、お一人は速読、お二人はシルバ・メソッドを受講してくださったご家族もいて、感謝しております。
 今回のGWは、4日間連続して受講された方が多かったのが目立った特徴でした。4日間連続ですと、同じアドバイスや説明を何度も聞きながら練習できますから、普段なかなか越えられない壁を越えることができます。今回も、Aさん、Bさん、Cさん・・・と私が担当した方だけでも数名思い出すことができます。スーパー特急に、乗車したこと間違いなしです。
 もちろん、よい訓練ができ、訓練は実際に進んだのですが、逆にその結果として、自分の問題点がよりはっきりと浮き彫りになった方もいらっしゃいます。私たちは、理性が発達しているために、日常、感情を押え込んだりして過ごしているわけですが、よい訓練ができると、右脳が活性化してきますから、その感情が表に出てきてしまうことがあります。集中すると右脳後頭部が熱くなるほど活性化しますから、そんなことも起きてくるのです。
 それにしても、4日間連続セミナーは私にとっても、結構ハードでした。セミナーだけでしたら、そうでもないのですが、終わってから、訓練カルテを記入する必要があります。連休明けは連休明けの仕事がありますから、その日その日ですべてのカルテ記入を終わらせないと、後の仕事に響きます。カルテはすべてその日に片付けることに決めていましたので、私自身、しっかりセルフコントロールしなければならず、ちょっと修行でした。
 講師にとっても、参加した受講生の皆さんにとっても、それぞれ修行のGWセミナーでした。私は、坐禅断食と真向法のお陰で、以前より大分体力がついているので、随分助かりました。受講生の皆さんを見ていても、身体に柔軟性がある人とそうでない人とでは、伸びが違います。本当に何をするにも、「身体が資本」だと思います。寒暖の差が激しいと感じるこの頃ですが、お互いに頑張りましょう。(名古屋にて、豊文)

スーパー特急に乗り換えよう

 明後日から、ゴールデンウィーク後半の集中セミナーが始まります。このセミナーから、いよいよ秋の百読会行きスーパー特急「速読脳開発号」にお乗りになる方も多いことと思います。これまで乗っていた普通や急行列車から、スーパー特急に乗り換える大事なポイントは、前回お話しした、「小さな悟り」を、開くことです。
 前回の教室物語を読んで、おそらく、「そうそう!」とすぐ共感してくれた方もいれば、「小さな悟り???」と納得するのがペンディングになっている方もいるのではないでしょうか?スーパー特急に乗り換えて頂くために、さらに具体的に説明したいと思います。
ときどき、と言っても最近は少なくなったように思いますが、講師の私の目から見て、「今日の授業ではとてもだいじなポイントを掴んでもらえて、良い訓練ができた」
と思っているときに、本人の所感が「今日は訓練が進まず、ダメだった」ということがあります。そう感じたことは、ないでしょうか?
 これは、講師が訓練の良否を見る基準と、その受講生の判断基準が異なっているということです。このままでは、講師が持っていこうとしている方向と、本人が持っていこうとしている方向が異なっているわけですから、いくら頑張っても、うまく伸びないということになってしまいます。
 先日あった例ですと、いつも速くと焦ってばかりいる人が、気持ちを落ち着けて、見ることに集中できてきました。このことは本人も自覚ができて、これで、「見ることに集中する」ということを掴んでもらえたと講師の私は、喜んだのです。ところが本人は、「訓練が進まなかった」とがっかりしたような所感を書いてきました。
 授業後の話し合いで、その受講生の判断基準は、フォーマットのNo.が進んだかどうかであることが分かりました。講師は、No.が進んだかどうかはほとんど問題にしません。良い見方ができたかどうかが訓練の良否のポイントですから、見ることに集中できるようになったら、それはとても良い訓練が出来たということになります。
 訓練フォーマットがどこまで進んだかは、数字で分かりますから、確かに目に見えて、分かりやすい指標です。しかし、結果として表面に見えるものではなく、その原因となっている意識面に注意を向けて頂きたいわけです。つまり自分の内面に注意を向け、観察できるようになってほしいわけです。これが、前回述べた「自分に対峙する」ということです。
 スーパー特急に乗っている方も乗っていない方も、GW中の集中セミナーや自宅練習で、良い訓練ができることを祈っております。(豊文)