講師として不可欠な資質

前回書きましたように、平日週5回通学本科を担当することは、体力的に大変きついものがあります。体力的に消耗することは、目に見えていましたので、昨年秋から、講師になって頂ける方を探しておりました。有り難いことに、数名の方が引き受けてくださいました。既に、教室で新しい講師の授業を受けられた方もおられると思います。
さて、私が講師を育てるにあたり、いつも思っていることをお話したいと思います。
講師として人様を指導することは大変難しいことです。速読法を研究し、指導して26年になりますが、今もって私は、本当に大変「畏れ多い」ことだと感じています。ここに「畏れ(おそれ)」という漢字を使いましたが、「畏れ」という字は、単に恐怖を感じるというのではなく、「威圧を感じて心がすくむ」という意味です。
受講生のなかにも、ときどき「授業に来ると緊張します」という方がおります。が、実は、私も皆さんの前に立つ時、緊張しているのです。「畏れ」を感じて、緊張するのです。「楽しそうにやっているように見えるけど」と仰るかも知れません。けど実は、心の琴線に、ピンと張った緊張を持って授業をしているのです。
それは、皆さんの「速読脳」を開発したいという思いに応えたいと思うことから生じる緊張です。もし神様のように、受講生ひとりひとりについて、心身両面にわたって、過去現在未来が分かるなら、教えることはただ「易しい!楽しい!」で済むことでしょう。しかし、私も受講生の皆さんと同じ人間ですから、当然のことながら、自分で観察できることしか分かりません。
そのような自分が、受講生の皆さんの訓練の様子を観察させてもらい、不遜にも改善すべき点を指摘し、その方法を指南するわけですから、本当に畏れ多いことなのです。畏れ多いことをなんとかやり遂げなければならない時、私は謙虚になるしかないと思っています。謙虚になり切ったとき、つまり、欲得をなくして気持ちを白紙にすることができた時、本当の観察ができ、適切なアドバイスができるのです。
説明上、「できる」と書きましたが、もっと詳しく言うと、発すべきアドバイスを天からもらえるという感じです。このような意味で、謙虚さは、講師としての不可欠な資質です。講師は、指導することに対する畏れを感じる心がなければならない、と私は思っています。
しかし、若い時は、どうしても数字に目が行きがちです。10万字/分読めた、15万字/分読めたというのは確かに素晴らしい実績ですが、それは能力の一面にしか過ぎません。受講生の時は、講師の指示やアドバイスに素直についてきてくれれば、伸びていきます。子供のような無邪気な心からであろうが、損得勘定の結果であろうが、とにかく指示に従ってついてきてくれれば、伸びます。
もちろん、それを達成するために、それなりの努力をしたわけですから、その努力に対して当連盟では表彰をしています。しかし,それで、本人が自らを素晴らしい人間だとか、教えられる人間だと思うとしたら、まさに、教えることの「畏れ多い」ことが分かっていないということです。受講生として良い成績を得ることのできる資質と、良い講師になれる資質とは、別のものなのです。
大阪教室の講師も決まり、当面のNBSの講師の新たな陣容がはっきりしました。今年、講師にお願いした方は、既に講師としてふさわしい速読の実力を持ち、社会的にも立派に活動している人たちばかりです。もちろん、前述した、講師として不可欠な資質「謙虚さ」をお持ちになっている人たちであることは、言うまでもありません。
これまた不遜な言い方になりますが、新しい講師たちが、人格的にも指導力的にも、私が安心して授業を任せられるまで成長してくださったことを、大変有り難く思っています。受講生の皆さんには、これまで同様、信頼してついてきてくださるようにお願いするとともに、至らぬ点がありましたら、ビシビシご指摘くださいますようお願いする次第です。(豊文)

坐禅断食で、頭脳復調へ

昨夜、坐禅断食会から戻ってきました。
今回は、18名の参加でした。遠くは岡山、大阪、名古屋からも参加してくださり、本当に有り難うございました。
また、家族を連れてきてくださった方も、3組いて、嬉しく思いました。大事な人に良いものを紹介するというのは、人間として自然な思いやりの心ですが、坐禅断食のように宗教じみていると見られがちなものを勧めるのは、勇気がいることです。最後の感想で、「また来ます」「また来たい」と皆さんが述べてくださり、主催者として、安堵し、嬉しく思いました。
私自身も、今回の坐禅断食で、体力が元に戻ったのを確認できました。健康状態という点では、まだまだ改善向上の余地がありますが、ほぼ復旧できたと思います。昨年後半から、土日の集中セミナーとは別に、ウィークデイに4〜5回の通学本科授業をこなしてきましたが、さすがに疲労の蓄積から免疫能力が低下し、5月のGW明けに、いわゆる悪性の風邪を引いてしまいました。
風邪を引くこと自体、身体に溜まった疲労素やストレスを抜く作業ですので、むしろ歓迎すべきものなのですが、消化器系への影響は、とても大きなものがありました。腸の動きが悪くなると頭が鈍ります。腸が活発に働くようになると、頭が冴えます。日頃から説いているこの「腸と頭脳の関係」を、改めて自ら確認することになりました。
その意味では、非常に貴重な経験で良かったのですが、その回復に8月下旬までかかったのは、やはりなかなかきついものがありました。この間、教室物語がとびとびになっておりましたこと、大変申し訳なく思っております。体力とともに、頭も回ってきましたので、教室物語を再開します。
ちなみに、坐禅断食会、次回は11月26日(金)〜28日(日)です。心と身体の浄化はもちろん、頭脳の活性化に、ぜひご参加ください。(豊文)
 PS:今回の会から、坐禅のやり方が少し変わりました。坐禅を20分間丸々やってから、警策の時間になりました。ですから、実質的に以前の長さの倍,集中する時間を持てるようになったわけで、大変充実した坐禅の時間がとれるようになりました。個人的には、いずれ30分の時間も取り入れたいと思っています。お楽しみに。